今や国内数千万人が利用しているモバイルWi-Fiルーター。
モバイルWi-Fiルーターとは、外出先でもインターネット接続できる、小型の持ち運び可能な通信機器のことです。
「ポケットWiFi」や「WiMAX」という名称で認識される方も多いことでしょう。
「そろそろ、自分もモバイルWi-Fiルーターを持った方が良いかもしれない…」
「インターネット環境は、固定回線ではなくモバイルWi-Fiルーターにして、自宅・外出時両方で使えるようにしたい!」
──そんな想いをお持ちの方々の為に、「モバイルWi-Fiルーター」の概要、基礎知識、メリット・デメリットについてまとめてみました。
目次
モバイルWi-Fiルーターはこんな方におすすめ
モバイルWi-Fiルーターは、以下のような特徴の方々に特にお薦めのネットワーク端末です。
「仕事の効率を向上していきたい!」
社外での活動が多いビジネスマン・ビジネスウーマン
- 外出先、移動時間いつでもメールのチェックやデータのダウンロードができる!
- 商談や営業の前後に、どこでもノートPCで業務ができる!
「インターネットの接続契約をシンプルにしたい!」
PC・スマホ・タブレット等、複数のデジタル機器を利用している人
- モバイルWi-Fiルーター1つのインターネット契約で、全てのデジタル機器でネット接続ができる!
- 接続利用料のコストも少なめに、支払いの手続きも一元集約でシンプルに!
「インターネット利用料を安く済ませたい!」
自宅のネット回線費用を節約したい人
- 自宅でも外出先でも、モバイルWi-Fiルーター1つの契約で済ませられる!
- 自宅と外出先の両方でネット接続契約をしている場合、回線費用を大きくコストダウンできる!
「『ネット難民』状態から脱却したい…」
いつも公衆無料LANポイントを探しまわっているという人
- いつでも、どこでも、モバイルWi-Fiルーター1つでインターネットに接続できる!
「スマホでいつも速度制限がかかってしまう…」
スマホで大容量の動画を観たり、テザリング多用で速度制限がかかってしまう方
- モバイルWi-Fiルーターでは、データ通信量無制限で利用できる!
※モバイルWi-Fiルーターの契約会社や契約サービスによって通信制限が発生することもあります。
現代社会において、私たちの生活はインターネットと切っても切れないものになっています。
そして、モバイルWi-Fiルーターの利用料は毎月3,000円〜5,000円程。
月数千円の投資で、「上記のようなメリットを得られるのなら、かなり安上がりじゃないか」と思う方は、多くいらっしゃるのではないでしょうか。
「いまひとつ、まだモバイルWi-Fiルーターの特徴がイメージつかない…」という方の為に、モバイルWi-Fiルーターと自宅回線(固定回線)、そしてテザリングの特徴比較をまとめてみました。
特徴比較!モバイルWi-Fiルーター vs 自宅回線 vs テザリング
自宅回線(固定回線) | テザリング | モバイルWi-Fiルーター | |
---|---|---|---|
通信速度 (最大速度) |
◎ (1Gbps) |
△ (187〜337Mbps) |
〇 (187〜778Mbps) |
回線容量 (制限の有無) |
◎ (無制限) |
× (制限あり) |
〇 (無制限※) |
月額費用 | △ (5,000〜10,000円) |
〇 (スマホ料金に準ずる) |
〇 (3,000円〜5,000円) |
初期設定 | × (初期工事および費用が発生) |
△ (追加オプションが 必要の場合あり) |
〇 (特になし) |
持ち運び | × (自宅以外での利用は不可) |
〇 (自宅、外出先で利用可能) |
〇 (自宅、外出先で利用可能) |
※モバイルWi-Fiルーターの契約会社や契約サービスによって通信制限が発生することもあります。
以上がモバイルWi-Fiルーターと自宅回線(固定回線)およびテザリングの特徴比較です。
自宅回線は「通信速度」「回線容量」でアドバンテージがあり、一方でテザリングは「持ち運び」でアドバンテージがあります。
そして、双方のアドバンテージをバランスよく兼ね揃え、かつ月額費用もリーズナブルなのが「モバイルWi-Fiルーター」ということですね。
モバイルWi-Fiルーターの基礎知識!
モバイルWi-Fiルーターとは
モバイルWi-Fiルーターとは、持ち運び可能な小型のネットワーク端末(インターネット接続を可能にする機器)のことです。
もしかしたら、モバイルWi-Fiルーターという言葉ではなく、「ポケットWiFi」や「WiMAX」、「モバイルルーター」という言葉で聴いたことがある方も多いかもしれませんが、これらの総称が「モバイルWi-Fiルーター」です。
(ポケットWiFiやWiMAXなど、モバイルWi-Fiルーターの種類については後述します。)
モバイルWi-Fiルーターを持っていれば、そこから私たちのパソコンやスマホ、タブレットやゲーム機でインターネット接続をすることが出来ます。
モバイルWi-Fiルーターでインターネットに接続出来る機器の台数は最大10台ほど。
特にPCとスマホ(タブレット)を複数持ち歩いている方や、家族や恋人、友人と外出先で「インターネット接続をシェアしたい」という方々にはうってつけのネットワーク端末と言えるでしょう。
モバイルWi-Fiルーターのメリット
いつでも、どこでもインターネットに安全にアクセスできる!
モバイルWi-Fiルーターの一番のメリットと言えば、やはりこれでしょう。
「外出先や、電車やタクシーでの移動中でも、すぐにノートPCやタブレットでインターネット接続できる」というのは、多くの方にとってとても大きなアドバンテージです。
仕事中の場合でしたら、メールの確認や送受信は当然のこと、参考データのダウンロードや、資料をまとめた後のデータ転送も思いのままです。
プライベートでは、外出先や旅先で、音楽や映画を聴いたり観たくなったりしたときに、公衆無料LANスポットでない場所でも自由気ままにインターネットにアクセスできます。
また、公衆無料LANスポットのなかにはセキュリティ対策の脆弱性のあるところもありますが、セキュリティ保護のあるモバイルWi-Fiルーターのインターネット回線だったら安心です。
こういった、手軽さ&安全性が、モバイルWi-Fiルーターの大きな利点と言えるでしょう。
スマホの速度制限対策になる!
「外出先では、スマホでインターネット接続できるから大丈夫」という方もいらっしゃるかもしれません。
ノートPCの接続も、テザリングを活用して…という方も少なくないでしょう。
ですが、ご存知の通りスマホにはデータ通信量の上限設定があり、上限を超えるとインターネット回線の速度制限がかかってしまいます。
スマホで映画などの動画をたまたま数時間ほど観ていて、知らないうちにデータ通信量の上限が超えてしまい、「今月はまだ数日残っているのに、速度制限のなかで利用しなくてはいけなくなってしまった…」という経験がある方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。
その点、モバイルWi-Fiルーターを活用すれば、スマホで使用するデータ通信量を抑えることができます。
例えば、映画や音楽といった、比較的容量が大きいデータを外出先(または自宅)で利用する際は、スマホのインターネット接続ではなくモバイルWi-Fiルーターでインターネット接続をすれば、スマホの速度制限対策に大きく寄与できます。
ひとつのモバイルWi-Fiルーターで複数の機器にネット接続できる!
先にも述べましたが、モバイルWi-Fiルーターを持つことによってスマホやPC、タブレット、はたまた3DSやPlay Station Vitaなどのゲーム機といった、複数の機器でインターネット接続できるようになります。
近年、外出先にスマホとノートPC、またはスマホとタブレットというように複数の機器を持ち歩く人が増えてきています。
もしその際にモバイルWi-Fiルーターがなければ、スマホとノートPC、タブレットとそれぞれインターネット接続したいとなったら、それぞれの機器ごとにインターネット回線使用の契約を結ばなくてはなりません。
それが、モバイルWi-Fiルーターひとつですべての機器のインターネット接続が済まされるというのは、これら複数の機器を持ち歩く人からすると、とても大きなメリットでしょう。
その他、「外出先で複数の人と同時にインターネット接続したい」というときにもモバイルWi-Fiルーターは有効です。
最近では、社外でミーティングする際や、外部の人たちとちょっとした会合をする際に共有用のモバイルWi-Fiルーターを使用し、インターネット接続をシェアする人たちも増えてきました。
こういった、複数機器(または複数の人と)でインターネット接続を同時使用できるのも、モバイルWi-Fiルーターの魅力の一つです。
※モバイルWi-Fiルーターのインターネット同時接続数は制限がありますのでご注意ください。
自宅回線としても使用して、インターネット通信費を節約できる!
自宅で固定回線を引くことを検討中の方は、もし「とはいってもあまり自宅で高速接続の必要性はない」という場合はモバイルWi-Fiルーターをそのまま自宅回線用として利用するのもお薦めです。
理由は、前述のとおり、モバイルWi-Fiルーターの月額使用料は往々にして固定回線よりも月額の回線費用よりも安くなるからです。
フレッツ光などの固定回線の月額使用料は大体5,000〜10,000円です。それに対して、モバイルWi-Fiルーターの月額使用料はせいぜい3,000円〜5,000円程度(最近は、月3,000円程度で利用できるサービスが増えています)。
毎月約半分ほどの費用で済んで、年間数万円分もの節約になることを考えると、モバイルWi-Fiルーターを自宅回線としても併用するのは賢い選択になることも多いでしょう。
一方で、モバイルWi-Fiルーターはサービス・プランによってはデータ通信量の上限があります。
例えば「休日は自宅で10時間以上オンラインゲームを楽しんでいる」というようなヘビーインターネットユーザーの方は、固定回線の方が良いでしょう。
接続工事なしに、すぐに、簡単に開始できる!
また、モバイルWi-Fiルーターの特徴として、「簡単な設定で、すぐにインターネット接続できる」ことが挙げられます。モバイルWi-Fiルーターが手元に届いたら、ものの5分でインターネット接続を楽しむことが出来るでしょう。
固定回線の場合は、回線を引くための工事が必要であったり、初期費用がかかったりと、手間やコスト、日数が発生します。
このモバイルWi-Fiルーターの設定の手軽さも、モバイルWi-Fiルーターの持つメリットの一つです。
モバイルWi-Fiルーターのデメリット
モバイルWi-Fiルーターの通信圏外のエリアもあるので注意
「モバイルWi-Fiルーターは外出先でも使える!」と言っても、日本国内すべての場所でインターネット接続できるわけではありません。
これまでの携帯電話やスマートフォンがそうであったように、モバイルWi-FiルーターのSIMカードを提供する通信会社のサービスエリアの範囲中でしか使うことが出来ません。
また、サービスエリアの中であっても、例えば建物の地下であったり、屋内であっても電子レンジやその他電化製品などの電磁波の影響でインターネットが繋がりにくくなることがあるので注意が必要です。
サービスエリアの範囲については、各サービス提供会社のほうでHP上でエリア区域の説明をしています。
契約前にご自身の行動範囲がサービスエリアの範囲内にあるかを確認しておくと良いでしょう。
モバイルWi-Fiルーターの充電状態も気にしないといけない
スマホやノートPC、タブレットを持ち歩くと、気になるのが「バッテリー状態」。
いざ使おうとしたときに、「充電が殆どなくなっていて、使えなかった…」という経験は、誰しもがあることでしょう。
モバイルWi-Fiルーターも、充電して使用するバッテリー形式の機器です。
つまり、モバイルWi-Fiルーターを所有したら、普段から気にしているスマホやノートPC等の充電状態だけでなく、モバイルWi-Fiルーターの分まで気にしなくてはいけなくなる、ということですね。
最近では、モバイルWi-Fiルーターと併せてモバイルバッテリーを所持する人も増えてきています。
また、カフェや公共施設では、電源の貸し出しサービスを行っているところも増えてきました。
モバイルWi-Fiルーターを活用する際は、普段から充電状態やいざというときの充電ポイントにも意識しておくと良いでしょう。
モバイルWi-Fiルーターの機種によっては、データ通信量の制限がある
自宅での固定回線の場合は、特にデータ通信量の上限はありませんが、モバイルWi-Fiルーターの機種・タイプによっては、データ通信量が上限を超えたときに月間制限、または3日制限があるので注意が必要です。
とはいえ、モバイルWi-Fiルーターで主流となりつつあるWiMAXの「ギガ放題プラン」やY!mobileの「Pocket WiFiプラン2アドバンスオプション」では、「3日間で10GBを超えたら、翌日の夜間速度規制がかかる」といった緩い制限ですので、かなりヘビーにインターネット回線を利用しない限りは、速度制限がかかることはないでしょう。
一方で、格安SIMといわれる機種でのモバイルWi-Fiルーターや、docomoやau、ソフトバンクから出しているモバイルWi-Fiルーターでは、月間制限があったり、かつ前述のWiMAXやY!mobileと比べて上限値が低く設定されていたりするので注意が必要です。
※ 各タイプの回線利用料の上限設定については、「おすすめのモバイルWi-Fiルーターは? 様々なポイントで比較」で紹介します。
押さえておきたい、モバイルWi-Fiルーターの2つの形式「LTE」 と 「WiMAX」
モバイルWi-Fiルーターの利用を始める際に、押さえておきたいのが「LTE」と「WiMAX」という、2つの形式です。
形式 | 提供元 |
---|---|
LTE | Y!mobile、docomo、au、ソフトバンク、そのほか格安SIM提供会社 |
WiMAX | UQコミュニケーションズ |
LTE、WiMAXも形式は違えど機能はほぼ一緒です。
通信速度の上限もそれ程は変わりません。
また、よくモバイルWi-Fiルーターのことを「ポケットWiFi」と呼ぶ人がいますが、ポケットWiFiは正式にはY!mobileが提供しているLTE形式のモバイルWi-Fiルーターのことを指します。
ですが、ポケットWiFiという言葉自体がかなり一般化しており、WiMAXも含めたモバイルWi-Fiルーター全般を「ポケットWiFi」と言う(捉えている)人も多いのが実情です。
さて、「LTE、WiMAXも形式は違えど機能はほぼ一緒」と言いましたが、様々な観点で見てみると両者の違い、特徴は少なからず現れてきます。
そして、その違いを把握しておくと、「モバイルWi-Fiルーター選び」の際に役立てられることでしょう。
続いては、WiMAXとLTEの特徴比較を確認しておきましょう。
WiMAXとLTEの特徴比較
WiMAX | LTE | |
---|---|---|
通信速度 (最大速度) |
〇 (〜708Mbps) |
〇 (〜788Mbps) |
データ通信量 (制限の有無) |
◎ (基本 無制限) |
△ (制限あり一部 無制限のものもある) |
月額費用 | 〇 (3,000円〜4,000円) |
〇 (1,000円〜8,000円) |
サービスエリア範囲 | △ (LTE通信エリアと比較するとやや 狭まるが、近年充実されつつある) |
〇 (WiMAX通信エリアより 若干広域になる場合が多い) |
始めにお伝えしておくこととして、通信速度についてWiMAXもLTEも最大速度 約700Mbpsとありますが、こちらは非常に限られた地域でのみ発揮される速度ですので、あまりあてにしない方が良いでしょう。
一方で、どちらのサービスも「ライバル(相手)よりも通信速度を上げていこう」と年々通信速度が改善されてきています。ですので、通信速度を理由にWiMAX回線とLTE回線のどちらかを決めようとしても、この段階ではなかなか難しいものがあります。
それよりも見ておきたいのは、データ通信量および月額費用、そしてサービスエリア範囲です。
データ通信量の自由さでは、WiMAXに軍配があがります。LTEでも、WiMAX同様の制限なしプランが出始めていますが、その場合月額料金が少し高くなる場合があるので、その点は注意してみておくと良いでしょう。
一方、LTEでは格安SIMのモバイルWi-Fiルーターで代表されるような、「低価格モバイルWi-Fiルーター」も多く発売されています。「インターネットのデータ通信量はそれほど多くならないので、コストを抑える方を優先したい」と言う場合は、LTEのモバイルWi-Fiルーターで検討されると良いかもしれません。
※LTEでも、月間の利用料は各プロバイダやプランによって大きく上下されますので、ご注意ください。
また、せっかくモバイルWi-Fiルーターを購入しても、「勤務先やよく行く場所が、エリア対象外だった…」となっては目も当てられません。
購入前に、対象のモバイルWi-Fiルーターのサービスエリア範囲は必ず確認するようにしましょう。
モバイルWi-Fiルーターの全種類・タイプ
モバイルWi-Fiルーターは、WiMAXとLTEの2つの形式にあるとお話しましたが、種類・タイプ別に見た場合は、大きく以下の4つの形式に分かれます。
それぞれの特徴、メリットやおすすめポイントを見ていきましょう。
名称 | WiMAX(ワイマックス) |
---|---|
提供会社 | UQコミュニケーションズ(KDDIグループ) |
特徴・メリット |
|
料金 | 4,000円前後 |
お薦め度 | [star5.0] |
WiMAX(ワイマックス)は、UQコミュニケーションズ(KDDIグループ)が提供するモバイルWi-Fiルーターです。
また、20社以上のプロバイダ会社がサービスを提供しています。
他のモバイルWi-Fiルーターのタイプと比べて、通信速度が速く、かつ月間利用量の上限がないところが大きな特徴です。
また、3日間の上限10GB を超えて速度制限がかかってしまったとしても、最大で6Mbpsの速度が出せるので、Youtube等の動画あたりでしたら問題なく観ることが出来るでしょう。
速度、利用量上限の高さ、料金と全体的にバランスよく品質が固く、お薦め度の高いモバイルWi-Fiルーターです。
名称 | Y!mobile(ワイモバイル) |
---|---|
提供会社 | ソフトバンク |
特徴・メリット |
|
料金 | 2,000円〜5,000円 |
お薦め度 | [star4.0] |
Y!mobile(ワイモバイル)は、ソフトバンクの回線を利用したモバイルWi-Fiルーターです。
Y!mobileもWiMAX同様、通信速度が速く、またサービスエリア範囲が広いことが特徴です。
最近では、「Pocket WiFiプラン2」にオプションを付けることによってWiMAXと同じように月間利用量の上限なしにできるアドバンスオプションも登場し、こちらも一定の人気を博しています。
ただし、このアドバンスオプションはサービスエリア対象がやや狭めとなり、更にプラスで月額684円が発生しますのでご注意ください。
また、Y!mobileの契約期間は基本3年間で、途中で解約すると別途「契約解除料」と言う名のもとに9,500円が請求されます(通称「3年縛り」)。
Y!mobileも人気のモバイルWi-Fiルーターですが、上記の特徴は事前に把握の上で、購入の検討をすると良いでしょう。
格安SIMを利用したモバイルWi-Fiルーター
提供会社 | 楽天モバイル、U-mobile、IIJmio、mineo、スマモバなど |
---|---|
特徴・メリット |
|
料金 | 1,000円〜3,000円 |
お薦め度 | [star4.0] |
格安SIMとは、docomo(またはau)が持つ回線を利用して通信サービスを実施している会社の通信サービスのことを指します。
なぜ「格安」なのかと言うと、通信設備などを維持・サポートするための費用はdocomoやauに担ってもらうので、その分の費用を抑えて、サービス提供できるからです。
「格安SIM」と聴くと、「格安スマホ」を思い浮かべる方も多いと思いますが、格安SIMモバイルWi-Fiルーターもサービスとして非常に多く展開されています。
特徴としては、その名の通り「料金が安い」こと、またdocomo、auの通信設備を利用しているので、サービスエリア範囲が広いのも大きなメリットです。
格安SIMモバイルWi-FiルーターはY!mobileのような途中解約の違約金もないので、「手軽さ」の観点で言うとかなりお薦めのモバイルWi-Fiルーターです。
ただし、通信速度の安定感は他のモバイルWi-Fiルーターと比べるとあまり良くありません。また、月間利用量の上限も他のモバイルWi-Fiルーターと比べるとやや低めに設定されていることが多いので、その点を注意しつつ、検討されると良いでしょう。
キャリア×モバイルWi-Fiルーター(docomo、au、ソフトバンク)
提供会社 | docomo、au、ソフトバンク |
---|---|
特徴・メリット |
|
料金 | 4,000円〜7,000円 |
お薦め度 | [star3.0] |
各通信会社docomo、au、ソフトバンクも、モバイルWi-Fiルーターのサービスを提供しています。
スマホの契約と一緒にモバイルWi-Fiルーターを契約する(または後からモバイルWi-Fiルーターを追加で契約する)と、スマホ利用料が安くなるなどの特典があります。
また、支払い先や問い合わせ先がスマホと統一できるのも、キャリア×モバイルWi-Fiルーターの組み合わせで利用する際のメリットの一つでしょう。
一方で、料金(月額利用料)はやや高めです。
また、月間(または3日間)のデータ通信量上限も設定されており、その閾値はWiMAXやY!mobileと比べてやや低めとなっているので、この点にも留意しておくべきでしょう。
自分に必要なデータ通信量は? 10GB、3GBの目安
さて、続いてはモバイルWi-Fiルーターを利用する際の、データ通信量の目安も確認していきましょう。
WiMAXの「ギガ放題」や「Pocket WiFiプラン2」のアドバンスオプションでは、データ通信量は「3日間10GBまで使い放題」となっています。
一方で、docomo、au、ソフトバンクのモバイルWi-Fiルーターや格安SIMのモバイルWi-Fiルーターでは「3日間2〜3GBまでなら使い放題」であったり、「1か月間で10〜30GBまで」と、プランによって変動され、WiMAXやPocket WiFiプラン2と比べると、やや上限値が低めに設定されています。
ですが、上限値が10GBや3GBと言われても、「では実際どれくらい使えるのか」については今一つピンとこないですよね。
そこで、実際にデータ通信量10GBや3GBで、どれくらいインターネットの利用が出来るのかについてまとめてみました。
データ通信量10GB、3GBでインターネット利用できるボリューム目安
10GB | 3GB | |
---|---|---|
メール送受信(一通500KBとして) | およそ20,000通 | およそ6,000通 |
WEBページの閲覧(1ページ300KBとして) | およそ33,333ページ | およそ10,000ページ |
動画視聴[HD画像](1分あたり15MBとして) | およそ11時間7分 | およそ3時間20分 |
動画視聴[標準画像](1分あたり4MBとして) | およそ41時間40分 | およそ12時間30分 |
音楽ダウンロード曲数(1曲当たり4MBとして) | およそ2,500曲 | およそ750曲 |
こうして見ると、普段インターネットを利用したときにご自身がどれだけデータ通信を行っているかのイメージも付いてくるのではないでしょうか。
WiMAXやPocket WiFiプラン2で提示されている「3日間上限10GB」は、相当インターネット接続を積極的に使おうとでもしない限り、上限まで使い切ることは難しいでしょう。
また、「自分は動画を観たりはあまりしないから、上限3GBでも十分だ」という方もいらっしゃることでしょう。
一点注意したいのは、インターネットで動画視聴を良くされる方や、仕事で職場の人とデータをクラウド上で共有し、ダウンロードやアップロードを良くされるという方は、相応にデータ通信量も多くなるということです。
ご自身のインターネット活用シーンを仕事・プライベートの両面から鑑みて、必要となるデータ通信量をイメージし、そのうえでモバイルWi-Fiルーターのタイプを選ばれると良いでしょう。
通信速度はどれくらい必要?理論値と実測値
続いては、モバイルWi-Fiルーターを使ってインターネット接続を行った際の「通信速度」について見ていきます。
通信速度を確認する際に、特に知っておきたいキーワードは以下の2つです。
- 下り最大通信速度(理論値)
- 下り通信速度(実測値)
下り最大通信速度(理論値)とは?
「下り最大通信速度」の「下り」とは、ダウンロードをすることです。
そして、「下り速度」とは、ダウンロードする際の速度ということですね。
反対に、「上り速度」とはアップロードする際の速度です。
動画を見たり、ソフトをダウンロードしたりメールをを受信するときの速度は「下り速度」で測られ、自分がメールを送信したり、データをアップロードする際の速度は、「上り速度」で測られます。
単位は、「Mbps(Megabits per secondの略)」を使います。“per second”とは、「1秒間につき」という意味で、つまりは「Mbps」は「1秒間にどれだけのデータを送信できるか」を表わす単位ということですね。
ちなみに、1Mbpsがどれくらいの情報量なのかといいますと、「1秒間にテキストを6万5千文字送れる(または受信できる)」くらいのボリュームです。
速度感で言うと、「音楽1曲をダウンロードする際に、約4秒でダウンロード完了できる(音楽1曲のデータ量が4MBであった場合)」というとイメージも付きやすいのではないでしょうか。
「下り速度」と「上り速度」だったら、「どちらかというと、下り速度を重要視する」という方が大半なのではないでしょうか。
そして、「下り最大通信速度(理論値)」とは、文字通りダウンロードする際に出せる速度の最大値です。
ただし、ここで「理論値」という言葉があるように、あくまで「下り最大通信速度(理論値)」は理論上では実現可能な速度ですが、実際にその速度が出せることを保証するものではありません。
下り通信速度(実測値)とは?
もう片方のキーワード「下り通信速度(実測値)」、こちらは逆に「実際に出せる下り速度」の数値です。
「実測値」とありますので、実際に測定して出す数値になります。
ちなみに、「どうやって実測値を出すの?」と疑問に思われた方は、以下のサイトからお使いのインターネット回線の速度を測ることが出来ますので、宜しければご確認ください。
Line Speed Testerでの速度チェック時の画面
下り通信速度(実測値)30MbpsあればOK
さて、この下り通信速度(実測値)ですが、どれだけの数値があれば合格圏と言えるでしょうか。
実際の活用内容によっても変わってきますが、目安としては「30Mbps」あれば十分とみて良いでしょう。
30Mbpsでは、1秒間で30MBのデータのやりとり(ダウンロード)ができることになります。
つまり、30MB以下のデータでしたら1秒待たずにダウンロードできるということですね。
また、高画質の動画を観る際も、1分あたりのダウンロードデータ量は15MB前後ですので、十分余裕があり、快適に動画鑑賞ができることでしょう。
ちなみに、YouTubeの動画であれば、10Mbpsあれば十二分に鑑賞できます。
つまり、下り通信速度(実測値)は、相当膨大なデータのやり取りをしない限りは、このくらいの速度で充分スムーズに利用できるということですね。
一方、モバイルWi-Fiルーターを提供する各会社のほうではこの通信速度をどれだけ上げられるかで熾烈な競争を繰り広げています。
モバイルWi-Fiルーターの直販店でも、「通信最大速度(理論値)〇〇〇Mbps」という風に、高速性を謳った宣伝句を見かけた方も多いのではないでしょうか。
ですが、私たちが実際に目のあたりにするのは「理論値」ではなく「実測値」です。
もちろん最大速度は早いに越したことはなでしょうが、前述のとおり「理論値」は環境により速度が大きく異なってくるため、そこまで気にせずとも良いでしょう。
おすすめのモバイルWi-Fiルーターは? 様々なポイントで比較
ここからは、「自分に合った、お薦めのルーターの見つけ方」について見ていきます。
どのモバイルWi-Fiルーターが自分に合っているかは、まさに「その人次第」ではありますが、特に以下のポイントを見ておくと良いでしょう。
A)月額料金
B)速度制限ルール
C)契約期間
D)通信エリア
E)下り通信速度(理論値)
F)制限時の通信速度
例えば、「仕事とプライベートで24時間フルにモバイルWi-Fiルーターを活用したい」という方は、B)速度制限ルール、D)通信エリア、E)下り通信速度(理論値)と、万一速度制限がかかった時のためのF)制限時の通信速度を優先的に確認することが望ましいでしょう。
また、「あまりインターネットは活用しないけれど、自宅と外出用兼用で活用したい」または「家族でインターネット回線を共有したい」という方は、A)月額料金、B)速度制限ルール、C)契約期間(地域によってはD)通信エリアも)を押さえておくと良いでしょう。
併せて、WiMAX、Y!mobile、格安SIM、キャリア×モバイルWi-Fiルーター(docomo)での各タイプの代表的なプランと併せて、A〜Fの特徴を以下表にまとめましたので、是非ご参考ください。
お薦めモバイルWi-Fiルーター比較
WiMAX、Y!mobile、格安SIM、キャリア×モバイルWi-Fiルーター(docomo)
タイプ | WiMAX | Y!mobile | 格安SIM | キャリア×モバイルWi-Fiルーター(docomo) |
---|---|---|---|---|
代表的な プラン |
UQ Flatツープラス ギガ放題(2年) |
Pocket WiFiプラン2 | U-mobile LTE使い放題プラン |
ウルトラデータ LLパック |
A)月額料金 | 4,380円 | 3,696円 | 2,480円 | 8,000円 |
B)速度制限 ルール |
3日間で10GB以上利用時に速度制限発生 | 月間で7GB以上利用時に速度制限発生 ※「アドバンスオプション」申し込み(+月額500円)時は、3日間で10GB以上利用時に速度制限発生 |
3日間で約1〜2GB利用時に速度制限発生 | 月間で30GB以上利用時に速度制限発生 |
C)契約期間 | 25ヶ月 | 3年 | 12ヶ月 | 2年 |
D)通信エリア※ | 〇やや広い | 〇広い | 〇広い | 〇広い |
E)下り通信 速度(理論値) |
440Mbps | 612Mbps | 375Mbps | 778Mbps |
F)制限時の 通信速度 |
概ね1Mbps ※ 翌日18時頃〜翌々日2時頃にかけて制限 |
最大128Kbps ※「アドバンスオプション」申し込み時は概ね1Mbps (翌日18時頃〜翌々日2時頃にかけて制限) |
最大200Kbps | 0.128Mbps ※ 月末まで |
※通信エリア参照:WiMAX、Y!mobile、格安SIM、キャリア×モバイルWi-Fiルーター(docomo)
以上、各モバイルWi-FiルーターのWiMAX(UQ Flatツープラスギガ放題)、Y!mobile(Pocket WiFiプラン2)、格安SIM(U-mobileLTE使い放題プラン)、キャリア×モバイルWi-Fiルーター(ウルトラデータLLパック)でまとめてみましたが、いかがでしたでしょうか。
全体的なバランスの良さで言うとWiMAXとY!mobile
モバイルWi-Fiルーターの様々な機能性を見て、全体的なバランスの良さ(品質の高さ)で言うと、WiMAX、次いでY!mobileといったところでしょう。
前述のような「仕事とプライベートで24時間フルにモバイルWi-Fiルーターを活用したい」という方はWiMAX(またはY!mobile)、「あまりインターネットは活用しないけれど、自宅と外出用兼用で活用したい」という方は格安SIMあたりを選ばれると良いかもしれませんね。
モバイルWi-Fiルーターは、年々新サービスが登場している!
購入検討時は、最新の情報を必ずチェック!
モバイルWi-Fiルーターは、ひとことで言うと「自宅でも外出先でも、いつでも使えるインターネット回線機器」です。
そして、実に多くの会社が様々なプラン・サービスでモバイルWi-Fiルーターを提供しています。
モバイルWi-Fiルーターを選ぶ際は、そのプラン・サービスの特徴をしっかり把握しておくことがとても重要、ということですね。
また、モバイルWi-Fiルーターは利用者の増加に併せて、毎年どんどん機能・性能が向上しつつあります。
例えば、通信速度やサービスエリア範囲は、1年間で大きく向上されていることも少なくありません。
ですので、「モバイルWi-Fiルーターを購入しようかな」と思ったら、最新の情報を必ずチェックするように意識しておくと良いでしょう。
皆さんの快適なインターネットライフを実現していく際に、このサイトが少しでもお役立てできることを、心より願っています!