「WiMAXでIPv6って使えるの?」
「IPv6にすると、通信速度がかなり速くなるって聞いたんだけど…」
この記事に辿りついた方は、WiMAXがIPv6に対応しているかどうか、またIPv6の通信速度の速さをWiMAXで体現できるのか、気になっていることでしょう。
結論から申し上げますと、WiMAXはIPv6に対応しています。
ですが、「どの端末・どのプロバイダに申し込んでも一律にIPv6が利用できる」ということではなく、いくつかの条件や制約もあります。
この記事を読めば、WiMAXにおけるIPv6の対応状況と、IPv6を適切に利用する方法を理解できることでしょう。ぜひご覧ください!
目次
WiMAXはIPv6に対応している
冒頭でもお伝えしました通り、WiMAXはIPv6に対応しています。
WiMAXの提供元であるUQ WiMAXの公式サイトでは、WiMAXのIPv6の対応状況について以下のように説明しています。
質問:IPv6に対応していますか?
回答:WiMAX(IEEE802.16e)はIPv6には対応しておりません。
WiMAX2+は、IPv4/IPv6デュアルスタックに対応していますが
MVNO事業者によっては対応していない場合があります。
各MVNO事業者毎の対応可否は各社にお問合せください。
上記説明文を分かりやすく言い換えると、「旧式のWiMAXはIPv6には対応していませんが、現在主流となっている『WiMAX2+』であれば、IPv4とIPv6の両方に対応しています。ただし、WiMAXプロバイダによっては対応していないところもありますので、ご注意くださいね」といった内容になります。
旧式のWiMAXは現在サービスの提供を終了していますので、これからWiMAX2+を契約される方、またはすでにWiMAX2+で契約された方は、IPv6に対応している可能性がある、ということですね。
ただし、「WiMAXプロバイダによっては対応していないところもある」という点に気になる方もいらっしゃることでしょう。その点については以降の「WiMAXでもプロバイダによってはIPv6非対応」にて詳しく説明しますので、併せてご確認ください。
WiMAX2+はIPv4/IPv6デュアルスタックに対応
前述のUQ WiMAXの「IPv6に対応していますか?」という質問に対して、「WiMAX2+はIPv4/IPv6デュアルスタックに対応」と回答していますが、この「デュアルスタック対応」というのは早い話「IPv4とIPv6、両方使えますよ」ということです。
IPv4とIPv6の詳細は後述しますが、早い話がどちらも「IPアドレス」で、インターネット上の住所を表すようなものです。
これらIPアドレスは、利用する接続機器等に「192.0.2.123」(IPv4)や「2001:db8:20:3:1000:100:20:3」(IPv6)といった番号を付与しています。
そして、WiMAXの「IPv4/IPv6デュアルスタック対応」は、IPv4とIPv6それぞれのIPアドレスが割り当てられる、ということです。これらIPv4/IPv6は同時に2つとも使われるのではなく、必要に応じて使い分ける仕組みになっています。
そもそもIPv6とは
ここで一度、本記事のテーマで扱う「IPv6」について、その概要をおさらいしておきましょう。
IPv6の規格が登場するまでは、IPv4が主流でしたが、なぜIPv6が生まれたのか、そしてそこにはどういった背景があるのかについて触れていきたいと思います。
これまで主流だったIPv4
IPアドレスと言うと、「192.0.2.123」といった数値のみの番号を思い浮かべる方も多いことでしょう。
こちらの4つの数値の組み合わせで表記されたIPアドレスが、IPv4になります。
ちなみに、IPv4のIPアドレス(4つの数値の組み合わせ)で作成できるアドレスの数は43億。かなりの数ですね。
ですが、近年のIoTサービスの活性、全世界中のスマホ所持人口の急増等、インターネット社会の促進に伴ってこの「43億」というアドレス数が枯渇してきているのです。
その為、「より多くのアドレス数を保有できるように」ということで、IPv6が登場することとなりました。
IPv4枯渇対策として生まれたIPv6
さて、IPv4のアドレス枯渇対策として生まれたIPv6ですが、実際にIPv6でどれだけのアドレス数を制御できるのかというと、その数は約340澗(かん)です。
「澗(かん)」という数値の単位に馴染みのある方は殆どいらっしゃらないと思いますのでもう少し詳しくお話しますと、大きさは「1澗=10の36乗」。ピンときませんね。
数値でIPv4とIPv6を比較すると以下のようになります。
IPv4 | 約43億個 | 4,300,000,000 |
---|---|---|
IPv6 | 約340澗個 | 340,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000 |
数の大きさとしての、私たちのイメージを大きく超えてしまう桁の多さですね。
ちなみに、IPv6のIPアドレスの表記は「2001:db8:20:3:1000:100:20:3」といった風に、コロンで区切られるようになっています。また、IPv4より桁数が増えただけでなく、10進数から16進数に変わったことで数値のほかアルファベットも使われます。
つまり、IPv6でこういった表記法にすることによって、上記の340澗(かん)という「ほぼ無尽蔵」と言えるほどのアドレス数を保有することができるのです。
IPv6は通信速度が速い?
ここまで、IPv6が生まれた経緯として「IPv4のアドレス枯渇問題が大きな理由」と述べました。
ここで、「あれ?IPv6は通信速度が速くなったんじゃないの?」と気になった方もいらっしゃるかもしれませんね。
実は、IPv6を使うだけでは速度が速くなるという訳ではありません。
IPv6はあくまでもプロトコル(規格)の種類であって、「IPv6にする=速度が速くなる」というわけではないのです。
ただし、IPv6にすることによって新たに活用できる機能や仕組みがあり、それらの中で通信速度の速まりに影響するものがあります。詳しくは次章で見ていきましょう。
IPv6とIPv4の違いは
続いては、これまでのIPv4と新しいIPv6で、どのような違いがあるかについて見ていきましょう。
最大の違いは混雑を回避できるかどうか
IPv6とIPv4の一番大きな違いは「混雑を回避できる仕組みを持てるかどうか」にあるといえます。
どういうことかというと、インターネットの接続方式には「PPPoE」と「IPoE」というものがあり、「IPoEは混雑の影響を受けにくい」という特徴があります。
そして、そのIPoEに対応するのは、IPv6のみになるのです。IPv6を使うと速度が速くなると言われる理由はここにあります。
PPPoEとIPoEの違い
PPPoE | IPoE | |
---|---|---|
概要 |
インターネットの接続方式のひとつ。 「網終端装置」というプロバイダとインターネットを接続する設備を必ず通る必要があり、プライムタイム(19:00〜23:00)に混雑しやすい。 また、通信の際の速度最大値は200Mbpsまで対応可能。 |
インターネットの接続方式のひとつ。 「網終端装置」を経由せずにインターネット通信することが可能。 また、通信の際の速度最大値は200Gbpsまで対応可能。 |
簡単に言うと… | 混雑時の影響を受けやすい。 かつ、通信速度は最大200Mbpsまでしか出せない。 |
混雑時の影響を受けにくい。 かつ、通信速度は最大200Gbps(※理論値)まで出せる。 |
IPv4対応 | 〇 | × |
IPv6対応 | 〇 | 〇 |
つまり、現在のインターネット環境で通信速度を最大限高めていくとした場合は、IPoEの通信方式を活用する必要があり、そしてIPoEの通信方式を登用できるのはIPv6のみ、ということですね。
IPv6はIPoEにも対応していないと意味がない
IPv6はIPoEだけでなく、PPPoEにも対応可能なため、利用する通信サービスが「IPv6だけどPPPoEにしか対応していない」という場合は、IPoEの恩恵を受けることができないため通信速度に期待はできない、ということになります。
ここまでの内容をざっとまとめてみましょう。
IPv6の存在理由 |
・IPv4のアドレス枯渇問題の対策として登場 |
---|---|
IPv6の特徴 |
・IPv4と比較して、非常に多くのIPアドレスを利用可能 ・IPoEの通信方式に対応 |
IPoEの特徴 |
・混雑時の影響を受けにくい ・通信速度 最大200Gbpsまで許容できる |
IPv6を利用して通信速度の向上を図るのであれば、通信サービスの対応状況が「IPv6」に加え、「IPoE」にも対応しているかの確認をする必要があります。
WiMAXのIPv6・IPoE対応状況
さて、冒頭で「WiMAXはIPv6に対応している」とお伝えしましたが、「IPoE」には対応しているのでしょうか。
UQ WiMAXはIPv6・IPoEに対応
現時点(2019年8月)において、UQ WiMAXの公式サイトにてIPoEへの対応状況の記載は確認できませんでしたが、カスタマーセンターに確認したところ、「WiMAX2+は、IPoEにも対応している」とのことでした。
つまり、UQ WiMAXにてWiMAXの契約をした際には、IPv6&IPoEの組み合わせで、インターネット接続ができるということですね。
WiMAXでもプロバイダによってはIPv6非対応
一方で、UQ WiMAX以外のWiMAXプロバイダでのIPv6&IPoEの対応状況はどうでしょうか。
先にも述べた通り、WiMAXプロバイダのIPv6対応状況は「各プロバイダによって異なる」とUQ WiMAXの公式ページで伝えられています。
ただし、2019年8月現在、IPv6対応状況を公式サイトで公表しているプロバイダはないようです。
こちらでいくつかのプロバイダのカスタマーセンターに確認したところ、「GMOとくとくBB」「BIGLOBE」といった人気のWiMAXプロバイダではIPv6非対応とのことなので、ほかのプロバイダでも対応していないとみて間違いないでしょう。
「IPv6・IPoEともに対応するWIMAX」を契約するとしたら、現在のところUQ WiMAXのみ確実、ということですね。
WiMAXでIPv6を使うならUQ WiMAXが確実
さて、ここまでの内容で今回のテーマである「WiMAXでIPv6は使える?」という問いについて、「UQ WiMAXなら使える」ということが確認できました。
では、UQ WiMAXがどんなプロバイダなのかについて、ざっと紹介していきましょう。
UQ WIMAXの特徴
メリット
- 最新端末も選べる豊富なラインナップ
- 最大13,000円キャッシュバックキャンペーン開催中
- 15日間 WiMAX無料お試しのサービスあり「Try WiMAX」
- WiMAX提供元という安心のサポート体制
- IPv6・IPoE対応
デメリット
- 月額料金は、他のWiMAXプロバイダと比較するとかなり高め
- 端末代(3,800円前後)を契約時に支払う必要あり
UQ WiMAXは、UQコミュニケーションズが運営するWiMAXプロバイダです。
全国で店舗販売もされていますので、「近所にUQ WiMAXのお店がある」という方もいらっしゃることでしょう。
国内WiMAX提供の本家本元ということもあり、WiMAXのラインナップは全プロバイダトップの充実さです。当然ながら最新端末のWiMAXを選ぶことができます。
更には、最大13,000円キャッシュバックキャンペーンも実施されているので、「UQ WiMAXで、少しでもお得に契約したい」という方は、キャンペーンが終わらないうちに登録を進められると良いかもしれませんね。
一方で、UQ WiMAXは月額料金が他のWiMAXプロバイダと比較してやや高めです。
最安値のWiMAXプロバイダで知られるGMOとくとくBBと比較した場合、月額料金にして約1,000円強、年間にすると1〜2万円ほど料金が高めになります。
GMOとくとくBBもラインナップの豊富な評判の高いプロバイダですので、UQ WiMAXの「IPv6&IPoE」に特にこだわりがなく、かつ「なるべく安いところで契約したい」という方は、GMOとくとくBBのプロバイダで契約されたほうが良いかもしれませんね。
まとめ) IPv6&IPoE対応のWiMAXを契約する際は、UQ WiMAXで!
ここまでお読みになられて、いかがでしたでしょうか。
冒頭でもお伝えした通り、IPv6(&IPoE)のインターネット接続は、WiMAXでも可能になります。
ですが、すべてのWiMAXプロバイダおよびWiMAX機器にて対応しているということではなく、WiMAX2+である必要があること、更にはIPv6&IPoE対応のプロバイダで契約する必要があることお伝えしてきました。
上記条件を確実に適えられるWiMAXプロバイダは、現在(2019年8月)のところUQ WiMAXのみとなります。
ただし、IPv6&IPoEはこれから主流になってくるであろうインターネット接続形式ですので、そう遠くないタイミングでその他のプロバイダでも対応を始めてくることでしょう。
このサイトでも、そういった最新情報はできる限りお伝えしていきますので、皆様の方でWiMAXを新たに契約される際は、是非最新情報をチェックの上、契約の判断を進めていくようにしてくださいね。
皆さんの快適なインターネットライフを実現していく際に、この記事が少しでもお役立てできることを、心より願っています!
11月のおすすめモバイルWi-FIサービス
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3年 | 3,250円/月 | 公式サイト | |
WiMAX (GMOとくとくBB 月額値引き) |
WiMAX2+ | 3年 | 3,344円/月 (1〜2ヶ月目2,590円、 25ヶ月目〜4,263円) |
公式サイト |