2020年1月に、WiMAXモバイルルーターの最新端末「Speed Wi-Fi NEXT WX06」(以下WX06)がリリースされました。
現在WiMAX、ポケットWi-Fi選びをされている方で、「WX06はおすすめだろうか」「通信速度等のスペックはどうなんだろう?」と気になっている方は多くいらっしゃることでしょう。
結論から言うと、WX06は「接続の安定さ」「操作の利便性」の観点ではおすすめできますが、総合的に「どの方にもおすすめできる端末」ではありません。
通信速度の速さにおいては、WX06よりも高速でインターネット接続できるポケットWi-FiやWiMAXもあります。
この記事では、WiMAXの特徴からメリット・デメリット、それから他のWiMAX端末とのスペック比較まで詳しく紹介しています。
この記事を読めば、あなたにとってWX06が「最もおすすめのWiMAX端末」か、しっかりと判断が付けられることでしょう。ぜひご覧ください!
目次
WX06の機能・性能・スペック
はじめに、WX06の機能・性能・スペックについて確認していきましょう。
WX06のスペック一覧
製品名 | Speed Wi-Fi NEXT WX06 |
---|---|
外観 | |
製造元 | NECプラットフォームズ株式会社 |
Wi-Fi規格 |
IEEE802.11ac/11n/11a(5GHz帯) IEEE802.11n/11g/11b(2.4GHz帯) |
最大通信速度 |
■ハイスピードモード 下り最大440Mbps/上り最大30Mbps ■ハイスピードプラスエリアモード 下り最大440Mbps/上り最大75Mbps |
サイズ | 約111×62×13.3mm(ディスプレイ約2.4インチ) |
質量 | 約127g |
バッテリー容量 | 3,200mAh(取り外し可能) |
連続動作時間 |
■ハイスピードモード ・ハイパフォーマンスモード:約8.3時間 ・ノーマルモード:約11.5時間 ・エコモード:約14時間 ■ハイスピードプラスエリアモード ・ハイパフォーマンスモード:約8.1時間 ・ノーマルモード:約10.5時間 ・エコモード:約13.3時間 |
連続待受時間 |
・休止状態 約700時間 ・ウェイティング状態 約45時間 |
最大同時接続数 | 16台 |
対応OS |
Windows 10/8.1 macOS v10.15〜10.9 |
本体色 | ライムグリーン、クラウドホワイト |
これまでNECプラットフォームズの手掛けるWiMAXは、若干固めなデザインのものが多かったのですが、今回のWX06では都会的なスタイリッシュな印象が強まっていますね。
本体色も「ライムグリーン」「クラウドホワイト」の二色で、女性受けの良いデザインになっている感があります。
その他スペック面においては、同社NECプラットフォームズの従来機である「WX05」と比較したときに、通信速度やバッテリー性能(連続動作時間・連続待受時間)等の向上はありません。
また、WX06の通信速度(下り最大)は440Mbpsと、HUAWEI社製のWiMAX「W06」と比較すると速度の面では若干劣ります。
このようにWX06は、従来機と比較した際の目立ったスペック向上はなく、やや「WiMAXの最新端末」として拍子抜けの印象もあります。
ですが、WX06には上記スペックで紹介されたところ以外において、いくつか注目すべき新機能が付けられています。続いては、そんなWX06の新機能・メリット面について次の章で詳しく見ていきましょう。
WX06 はじめて設定ガイド
WX06のメリット
WX06は、通信速度やバッテリー性能においては従来のWiMAX端末から大きく秀でる点はありませんが、「通信の安定性」および「操作の利便性」においてはいくつか注目すべき特徴・メリットがあります。
具体的には、以下の4点をチェックしておくと良いでしょう。
- 4GHz、5GHz同時利用による快適通信
- QRコードで簡単接続
- ひと目で分かるデータ通信量
- クレードルで宅内利用がより快適に
2.4GHz、5GHz同時利用による快適通信
Wi-Fiの電波は、大きく2.4GHz帯と5GHz帯の2つの周波数帯を利用しています。
電子レンジをはじめとした家庭内の家電・機器では2.4GHz帯の電波を利用しているものが多く、それらの電波との競合でWi-Fiでのインターネット接続が繋がりにくくなる場合があります。
ちなみに、最近のWiMAX端末では2.4GHzと5GHzを選択してWi-FI通信を切り替えることができるのですが、どちらかを選択・設定しておく必要もありました。
ですが、WX06では2.4GHzと5GHzの同時利用が可能となっています。具体的には、それぞれの周波数帯を確認して定期的に自動で最適な周波数に切り替えて、高速で安定したWi-Fi通信を行ってくれるのです。
ちなみに、2.4GHzと5GHzにはそれぞれメリット・デメリットがあり、場所や周囲の環境での影響を受けるため、どちらが良いかは一概には言えません。
参考:4GHz、5GHzのメリット・デメリット
周波数 | メリット | デメリット |
---|---|---|
2.4GHz | 電波が広範囲に届きやすい | 家電製品の影響を受けやすい |
5GHz | 家電製品の影響を受けにくい | 障害物や遮蔽物で速度が落ちやすい |
ただし、WX06ではそれら周波数におけるメリット・デメリットを自動で判断し、最適な設定にしてくれるということですね。
ただし、こちらの機能の恩恵を受けるためには、WiMAXに接続する機器自体も2.4GHz・5GHz両方の周波数帯に対応し、かつWi-Fi規格である802.11vに対応している必要があります。
現在のスマホ・タブレットなどでは基本的に対応していますが、気になる場合はその製品のメーカーに問い合わせてみましょう。
(対応機種例:apple/iPhone5c/5s以降、Samsung/SCL35以降、Sony/SOV33以降)
QRコードで簡単接続
通常WiMAX等のモバイルWi-Fiルーター経由でのインターネット接続をする際は、ID・パスワード設定をする必要があります。こちらの設定を若干手間に感じられる方は少なくないことでしょう。
ですが、WX06では、パスワードの入力をせずともQRコードの読み込みでインターネット接続できるようになっています。
WiMAXに接続する機器がiOS、iPadOS、Android端末でしたら、その端末に付いている標準カメラでQRコードを読み取るだけでWi-Fi接続ができます(各対応OS:iOS11.0、iPadOS13.0、Android 10以降)。
この機能は、特にWiMAXで複数の人とインターネット接続を共有する際に便利になりそうですね。
ひと目で分かるデータ通信量
WiMAXは、基本的には「月間のインターネット使い放題」(※ギガ放題の場合)としていますが、「3日間の利用は10GBまで」および「ハイスピードプラスエリアモード利用時は月内7GBまで」といった通信量の制限があります。
参考:WiMAXの通信制限
ハイスピードエリアモードで1カ月間で7GB以上利用 | 通常回線も含めて月末まで通信速度を128Kbpsに制限 |
---|---|
ギガ放題プランで3日間で10GB以上利用 | 翌日18:00〜26:00までの8時間、通信速度を1Mbpsに制限 |
ライトプランで1カ月間で7GB以上利用 | 月末まで通信速度を128Kbpsに制限 |
WX06では、これらWiMAXの通信制限において標準時のディスプレイ(ホーム画面)に現在のデータ通信量と制限までの残り目安を表示してくれています。
上記図では、上部緑色の帯部分が「3日間でのデータ通信量累計」になり、株水色の帯部分が「ハイスピードプラスエリアモードでのデータ通信量累計」になります。
つまり、「これら帯がいっぱいになると通信制限になりますよ」と、視覚的に非常に分かりやすく表示されているということですね。
これまでWiMAXを利用されていた方で知らずのうちに通信量の上限を超えてしまい通信制限になってしまったという方は、(特にWiMAXのハイスピードプラスエリアモードご利用の方は)多くいらっしゃることでしょう。
WX06では、それらに対して「事前に確認しやすい」作りになっているのです。
クレードルで宅内利用がより快適に
その他、WX06は別売のクレードルを利用することで、ホームルーターとして活用することができます。
また、WX06のクレードルは通信の安定性を高める為の「Wウイングアンテナ」が搭載(WiMAX2+アンテナが4本搭載)されており、電波が弱い場所での通信速度がクレードル無しの時と比べ最大で約60%向上されるのです。
WiMAXのクレードルと言うと、充電器代わりに利用されている方も多いかと思いますが、WX06の場合はホームルーターとしての快適利用が期待できるということですね。
WX06のデメリット
さて、ここまでWX06の特徴とメリットについて見てきましたが、デメリットではどのような点があるかについても見ておきましょう。
WX06は先にも述べた通り、スペック面においては前機種(WX05)から大きく変わった点はありません。
それゆえ、「通信速度」において期待する速度が発揮できない点が、WX06の目立ったデメリットと言えるでしょう。
最大通信速度が440Mbpsで若干物足りない
WX06の最大通信速度(下り)は440Mbpsです。
こちらの速度はハイスピードモード・ハイスピードプラスエリアモードともに同様となっており、HUAWEI製WiMAXの「Speed Wi-Fi NEXT W06」(以下W06)と比較するとやや速度面の見劣りがあります。
参考:WX06とW06の通信速度比較
ハイスピードモード | ハイスピードプラスエリアモード | |
---|---|---|
WX06 | 440Mbps | 440Mbps |
W06 | 558Mbps | 867Mbps(USB接続時1,237Mbps) |
上記表のハイスピードプラスエリアモードでの数値から、W06はWX06より2倍近く(USB接続時は3倍近く)の速度が出ることが確認できます。
WiMAX利用において「高速回線」を期待する場合は、WX06ではなくW06にされたほうが良いでしょう。
WX06とW06、WX05比較
ここまでの内容で、WX06の機能・スペック、その他特徴についてご理解も深められたことでしょう。
ここで一度、WX06と、準最新機種である「W06」「WX05」と比較してみましょう。
商品名 | WX06 | W06 | WX05 |
---|---|---|---|
製造元 | NECプラットフォームズ | HUAWEI | NECプラットフォームズ |
外観 | |||
最大通信速度 (ハイスピードモード) |
下り440Mbps 上り30Mbps |
下り558Mbps 上り30Mbps |
下り440Mbps 上り30Mbps |
最大通信速度 (ハイスピードプラス エリアモード) |
下り440Mbps 上り75Mbps |
下り867Mbps 上り112.5Mbps |
下り440Mbps 上り75Mbps |
サイズ | 約111×62×13.3mm | 約128×64×11.9mm | 約111×62×13.3mm |
質量 | 約127g | 約125g | 約128g |
バッテリー容量 | 3,200mAh (取り外し可能) |
3000mAh | 3,200mAh (取り外し可能) |
最大同時接続数 | 16台 | 16台 | 10台 |
連続通信時間 (ハイスピードモード) |
ハイパフォーマンス:約8.3時間 ノーマル:約11.5時間 エコ:約14時間 |
ハイパフォーマンス:約7.2時間 ノーマル:約9時間 エコ:約11.7時間 |
ハイパフォーマンス:約8.1時間 ノーマル:約11.5時間 エコ :約14時間 |
連続待受時間 |
休止待受:約700時間 ウェイティング:約45時間 |
休止待受:約800時間 |
休止待受:約700時間 ウェィティング:約45時間 |
クレードル対応 | 〇 | × | 〇 |
Bluetooth通信 | 〇 | × | 〇 |
リリース日 | 2020年1月 | 2019年1月 | 2018年11月 |
上記「WX06、W06、WX05の比較表」からは、以下の見解を導き出すことができます。
- 通信速度:W06が優勢
- バッテリー性能:WX06、WX05が優勢(僅差でWX06の方が優良)
- 周辺機器との接続利便性(クレードル対応・Bluetooth通信等):WX06、WX05が優勢
上の3点を踏まえ、これからWiMAXを契約される際の判断軸として、「通信速度」「バッテリー性能」「周辺機器との接続利便性」の3点からどのWiMAXの契約がおすすめかについて見ていきましょう。
通信速度で選ぶなら「W06」が有利
前述の通り、通信速度の速さ、高速回線を求める場合はW06を選ぶべきでしょう。
HUAWEI製のW06は2019年1月にリリースされていますので、「そろそろ最新の端末も出るのでは?」と思われている方もいらっしゃるでしょうが、次期端末「WiMAX W07」はシャープ製として、かつ法人向けにリリースされるとのことですので、個人向けの最速WiMAXはしばらくの間W06になることでしょう。
ただし、W06はクレードル非対応(クレードルが用意されていない)であるため、宅内利用においてはWX06のほうが速度・通信の安定性が高まることもあるでしょう。
バッテリー性能・周辺機器との接続利便性においては、WX06とWX05が有利
バッテリー性能や周辺機器との接続利便性を優先してWiMAXを選ぶとしたら、WX06とWX05がおすすめになるでしょう。
尚、WX06の方ではバッテリー性能が若干高くなっており、更に最大同時接続数は、10台から16台へと多くなっていますので、「どちらがよりおすすめか」においてはWX06を選べば問題ありません。
その他、WX06(およびWX05)の利点のひとつとして「バッテリーの取り外しが可能」であることが挙げられます。
WiMAXおよびポケットWi-Fiは主に経年劣化としてバッテリー性能の低下がまず現れますので、取り外し・交換が容易なので、NECプラットフォームズ製のWiMAXはより中長期的な継続利用も実現されやすくなるでしょう。
WX06 おすすめのプロバイダ
さて、ここまでの内容でWX06の特徴、メリット・デメリット、そして他のWiMAX端末との違いについてご理解も深められたことと思います。
続いては、「WX06が自分に合っているかもしれない」と思われた方向けに、WX06を契約する際のおすすめのプロバイダを紹介いたします。
ちなみに、WX06は最新機種ということで、まだ入荷の準備の整っていないプロバイダも多くあります(2020年1月現在)。
そのため、紹介できるプロバイダは限られてくるのですが、その中で最もおすすめできるのは「GMOとくとくBB」です。
「GMOとくとくBB」でWX06を契約する際は「月額割引キャンペーン」で!
GMOとくとくBBは、GMOインターネット株式会社が運営するWiMAXプロバイダ・サービスです。
同社は1995年よりインターネット事業を開始し、現在では「お名前.com」や「GMOクリック証券」「GMOクラウド」など馴染みのあるサービスを多く提供しています。
GMOとくとくBBは最新機種のラインナップもしっかりしており、更には他のプロバイダと比較して「料金の安さ」面においてもかなり強いアドバンテージを発揮しています。
GMOとくとくBBの特徴(メリット)
- トータルコストが業界最安値!
- キャッシュバックキャンペーンや月額割引キャンペーン等、いくつかのキャンペーンを選ぶことができる
- 契約後、端末は即日発送ですぐに手元に届く!
- 機種代金¥0!(解約時に端末割賦残金の支払いなし)
GMOとくとくBBは、特に一点目の「トータルコストが業界最安値!」から多くの利用者から高い評判を勝ち得ていますが、サービス全体の品質も高いです。
二点目の「いくつかのキャンペーンを選ぶことができる」については、現在「キャッシュバック特典」と「月額割引特典」の2つのキャンペーンを展開しており、月額割引キャンペーンがより料金の安さでお得になります。
参考:GMOとくとくBB「月額割引キャンペーン」でWX06を契約した際の料金
契約期間 | 3年 |
---|---|
事務手数料 | 3,000円 |
端末代 | 0円(無料) |
月額料金 |
初月:2,170円の日割り料金 1〜2ヶ月目:2,170円 3〜36ヶ月目:3,480円 37ヶ月目以降:4,263円 |
LTEオプション料金 | 0円(無料) |
GMOとくとくBBプロバイダについては、以下記事でも詳しく紹介しています。是非ご覧ください。
まとめ) 外出・宅内双方で安定したインターネット接続を期待する場合は、WX06はおすすめ!
「高速回線」を代名詞とするWiMAXですが、今回紹介したWX06は速度面において若干の見劣りがあることをお伝えしました。
一方で、「2.4GHz、5GHz同時利用による快適通信」や「クレードルで宅内利用がより快適に」といったメリット面をうまく活用すれば、WX06は外出時と宅内利用双方でバランスよく活用できるマルチなWi-Fiルーターとなるでしょう。
WX06のメリット(再掲載)
- 4GHz、5GHz同時利用による快適通信
- QRコードで簡単接続
- ひと目で分かるデータ通信量
- クレードルで宅内利用がより快適に
ここまでの内容で、「WX06は自分のインターネット活用にマッチしそうだ」と思われた方は、この機会にぜひ契約について具体的に検討されてみてはいかがでしょうか。
皆様のこれからの快適なインターネットライフを実現していく際に、この記事が少しでもお役立てできることを、心より願っています!
10月のおすすめモバイルWi-FIサービス
サービス名/プロバイダ・キャンペーン・プラン | 回線 | 契約年数 | 月額料金 | ||
---|---|---|---|---|---|
BBN Wi-Fi | トリプル キャリア |
2年 | 3,250円/月 | 公式サイト | |
ギガWi-Fi (U2sプラン) |
トリプル キャリア |
3年 | 3,250円/月 | 公式サイト | |
WiMAX (GMOとくとくBB 月額値引き) |
WiMAX2+ | 3年 | 3,344円/月 (1〜2ヶ月目2,590円、 25ヶ月目〜4,263円) |
公式サイト |